前々から興味のあった遠心複製ですが、見様見まねでやったらなんか上手くいったっぽいので、とりあえず手順をざっくりまとめておきます。
なるべく費用は抑えめ、削減できる手間はとことん削っていて、おそらく皆さんの考えてる遠心複製よりも敷居はかなり低くなっているはずですので、身構えせずに気楽に読んでもらえればと思います。
後日改めてちゃんとした解説ページを作って載せますので、今回は要点だけ。
型取り 下面
※通常型取りといえば粘土埋め必須ですが、私は粘土埋めを行いません。
粘土埋めを行った方が複製の精度は上がりますので、必須と思う方は粘土埋めしてください。
粘土埋めすると手順も若干変わりますが、複製経験者ならどこをどう変えるか分かると思いますし、記事量が膨大になるのでここではあえて書きません。ご了承を。
真空脱泡機をお持ちでない方は多分粘土埋めした方がいいかと。
アルミ鍋を使用。ホームセンターで1200円くらい。22cm。
鍋の内側に離型剤をハケで塗る。ハケは100均でOK。幅広の物が楽。
鍋にシリコンくず(使い終わったシリコンを1cm角くらいに切ったもの)を投下。無いなら無くてもいいけどシリコンの消費量は覚悟してください。
追記ですがシリコンくずが無いと粘土埋め必須です。
シリコンくずの深さは、複製するパーツの中で一番大きい物の半分+1cmくらいは必要。
シリコン液をシリコンくずがひたひたになるくらいまで投入。
シリコンは透明の物を使用する。粘土埋めしてれば不透明でもOK。
多すぎても少なすぎてもいけない、ちょうどひたひたのラインを攻める(多分ここが一番難しい)。
※粘土埋めする方は全く関係ないです。
真空脱泡機で脱泡する。脱泡すると空気が抜けた分液面下がるので、足りなければ足す。
真空脱泡機がなければ常圧でも多分大丈夫だが、空気が抜けて落ち着くまでかなり時間掛かると思うのでお勧めしない。素直に粘土埋めした方がよさげです。
シリコン液の真ん中に丸いプラ製のスペーサーを半分くらい埋める。レジンが溜まる空間になります。
何を使うかはお任せします。下の図を参考に、100均などで形状が近いものを探してください。
円のサイズは紙コップの底より大きい物で。
パーツを放射状に配置する。
配置のポイント
・毛先など細くなっている部分を外側に
・ディテールの細かい面を下に
・凹んでいる面を下に向けない(気泡が溜まる)
・複製時にパーツに気泡が入ってしまってもいい面(パーツ接合面やダボの凸、隠れて見えない部分など)をなるべく上に
・なるべくパーツ同士の間は1cmくらい間隔をあける
遠心力によってレジンは内側から外側に向かっていくので、それをイメージしつつ空気がなるべく溜まらないような配置を考える。
明らかに空気が溜まるような配置でなければ、遠心力で多少は強引に空気を押し出せるので、常圧ほどは繊細に考えなくても良いようです。
パーツは半分よりちょっと沈むくらいがいいです。
パーツによって浮いたり沈んだりしてしまうので、それを防ぐためにシリコンくずをひたひたにしてシリコンくずに乗せるような形を取らなければならず、前項でひたひたにこだわったのはそのため。
表面にシリコンくずの凹凸が出ていますが、そのまま型の噛み合いに利用するのでむしろ凹凸があった方がいいです。
シリコン液の量が少ないと隙間ができるので、やはりひたひたが原則か。
ゴミが入らないよう鍋にラップなどを被せ、硬化待ち。
型取り 上面
下面のシリコン型が硬化した状態。
パーツが沈んでいたり、パーツの周りに薄ーくシリコンが纏わりついているので、カッターとピンセットで丁寧に切り出す。
ここでパーティングラインを作る感じ。なので多少パーツは沈める必要あり。
またシリコンは透明じゃないとダメ。
完全に沈んでいても切り出すのは手間ですが救出可能です。
但しあまり鍋の底の方まで沈んでいると変形の原因になるのでNG、最低でも底から1cmくらいは隙間が欲しい(シリコンの硬度などにもよる)。
ここも結構慣れが要ります、カッターで原型を傷つけないよう、表面ギリギリをなぞるように刃を入れます。
原型が一回きりでズタズタになってもいい方は思う存分傷付けちゃってどうぞ。
真ん中の丸型のスペーサーを取り外し、紙コップを乗せてテープなどで固定、再度元通り型にはめ込む。
型の表面に離型剤を塗る。
シリコンくずをパーツが埋まるくらいまで敷き詰める。
無いなら無いでいいがシリコン消費量(ry
紙コップの中に瓶など重い物を入れる。
浮き上がりを防ぐためなので重しになれば何でもいい。
シリコン液投入。
今度は表面を平らにしないといけないので、シリコンくずの凹凸が出ないレベルまでシリコン液を多めに流します。(画像では凹凸出てますが、後で気付いて再度シリコン液追加してます。)
紙コップによってできた穴に、後の複製工程で紙コップをはめ込む形になるので、紙コップに触れる部分のシリコンに厚みを持たせないといけません(下図参照)。
感覚を掴むまではシリコンは多めに使っておいた方が無難です。勉強代と思って。
真空脱泡機で脱泡します。
常圧放置でも構いません。
再度、ラップなどを被せ硬化待ち
つづく