3Dプリンタ出力について
私は3Dプリンタは久宝金属株式会社様の「Qholia(クホリア)」、スライサーソフトはクホリア推奨ソフトの「kisslicer」を使用しています。
このサイトでの紹介は全て Qholia、kisslicerを使っていますが、3Dプリンタやスライサーソフトの違いによって操作手順は異なってきますので、違う種類の機器をお持ちの方はそれぞれに合った手法をお探しください。
gcodeファイルの用意
3Dモデリングで作成したstlファイルを kisslicerに読み込んでパーツの配置を行い、出力時の角度を調整します。
配置が完了したら3Dプリンタで出力するためのgcodeファイルを作成します。
画像のように、パーツは複数まとめて出力することも可能です。
まとめて複数出力する場合、出力中にどれか1つのパーツがプリントミスを起こして他のパーツもつられて全滅したりすることもありますが、パーツを個々に出力するよりもまとめて出力の方が手っ取り早いので、どちらで出力するかは個人の好みにお任せします。
1つのパーツが失敗しても他のパーツはそのまま継続して出力完了できる場合もあり、その場合は失敗したパーツだけを再度出力し直すだけで済みます。
パーツ配置のポイント
パーツの細かなディテールや細い部分などを綺麗に出すためには、パーツの角度がかなり重要になってきます。
FDM方式の場合、重力によってサポートに密着する底の面はどうしても多少は荒れてしまいます。
また、パーツ表面の角度が水平に近くなるほど積層跡が目立つようになります。
スライサーソフトの設定で改善できる部分もありますが、スライス設定での影響を理解するには経験と試行錯誤が必要ですので、ここでは私がパーツを配置する時に気を付けていることを簡単に紹介しておきます。
上から順に優先度の高いポイントです。
・細かなディテールのある面は上側を向ける
・髪の毛先・指先など尖った先細りの部分は先端を上に向ける
・なるべく水平に近い面ができない角度にパーツを傾けて調整する
・接合面や隠れて見えなくなる面は下に向ける
テスト出力と本番出力
以前は出力用のデータが用意できたらいきなり本番用の設定で出力をしていましたが、毎回なんかしらの予期せぬミスがあるので、最近は本番の前に一度テスト出力を挟んで、パーツの状態を確認するようにしています。
テストでは品質は重視せず速度優先で、全部のパーツをテーブルに乗せれるだけ敷き詰めてまとめていっぺんに出力します。
逆に本番の出力では出力速度を落として品質を重視し、パーツも一つづつ個別に出力してフィラメントの糸引きや粕がなるべく発生しないようにしています。
まずテスト出力をして仮組みしてみて、分割ミスや嵌合いの具合などを確認し、問題があったパーツはZBrushに戻って修正し、再度出力し直します。
テスト出力で問題をすべて解消出来たら、改めて本番の環境で出力しましょう。
自家用3Dプリンタのススメ
自宅で3Dプリンタを運用するメリットは、何よりもまずレスポンスの早さです。
他者に出力を依頼した際に掛かる手続きや配送などの余計な手間は一切掛からず、完成したデータをダイレクトに3Dプリンタへ送り込むので「無用な待ち時間」が一切ありません。
パーツ出力のスケジュールも全て自分で管理・最適化することができます。
上記のように、パーツにミスがあった際にも即座に修正データを用意して出力し直すことが可能で、パーツ一個単位で自分の納得がいくまで出力→修正→出力…と繰り返し試行錯誤することもできます。
また「自分が作ったものが出力される様子を自分の目で確認できる安心感と高揚感を得られる事」も、製作を続けていく上での大事なモチベーションアップになります。
私も使用しているQholiaはとても優秀なマシンで、メンテナンスを適切に行って無理のないパーツ形状・配置で設定してやれば、精巧な出力品を高い成功率で安定して出力することができます。
FDM方式なのでランニングコストを抑えられるのも魅力の一つですし、なにより国産なのでトラブル時の対応が早い(とても親切丁寧な対応でいつも助かっております)などなど、ぜひお薦めしたい3Dプリンタです。
以下の画像はその素晴らしい性能の一端です。