ZBrushでフィギュアの3Dモデリングを行う上で、必須となる機能や作業効率を上げる便利な機能を紹介します。
・ダイナメッシュ
メッシュの形状を維持したまま、指定した任意の密度で均等に再構築する機能。
同一サブツール内の独立したシェルを一つに結合したり、ポリグループを維持したまま、独立したシェルとして別々に処理したりもできる。
スカルプト中に伸びてしまったポリゴンを最適化したり、不意に空いた穴やメッシュの不具合が治る事もあるので、困ったらとりあえずダイナメッシュ。
解像度を極端に大きくして実行するとよくフリーズするので、大事な場面では実行前に保存すること。
・抽出
マスクした範囲を対象に、設定した厚さのメッシュを生成する機能。
「厚さ0」で厚みを持たさずにマスク部分だけを切り出すこともできる。
インナーや上着など、身体のメッシュから衣服のベースを作る時に使うことが多い。
・Live Boolean
2つまたは複数のメッシュに対して「和」「差」「積」の演算を施す機能。
パーツの分割作業はもはやこれ無しじゃやってられないってくらい、分割作業に適している。
基本的に使うのは「差(メッシュからメッシュを引く)」で、他は滅多に使わない。
機能をONのままにしておけばブーリアンの結果を表示したままメッシュを操作できるので、使い方次第でいろいろ便利。
・マスク境界にエッジループ
マスクしている部分の境界を滑らかにしつつ、別ポリグループ化する。
ポリグループ分けしてからグループスムーズブラシを使うよりも素早く行えるが、ローポリだと滑らかな曲線にならないので、その場合はさらにグループスムーズブラシを使って滑らかにできる。
「抽出で生成されるメッシュの端を滑らかにしたい」「メッシュをマスク分割する際に断面を綺麗にしたい」など、マスクを使って何かをする前によく使う。
・ポリグループマスク
ポリグループ分けされているメッシュに対してスカルプトする時、スカルプトを開始したポリグループ以外のメッシュへの影響を数値で調整できる。
例えば数値を「100」にした場合、最初にスカルプトを開始したポリグループ以外のメッシュには、そのストローク中はマスクが100%掛かったように影響しなくなる(数値50だと50%の影響)。
基本的に「0」か「100」かでしか使わない。
一つのサブツール内に複数のシェルがあり、それぞれポリグループ分けしている状態でこの機能を使えば、シェル単体↔複数シェルと切り替えながらスカルプトできて便利。
・イニシャライズ
任意に指定した分割数でプリミティブ(基本形)メッシュを生成する。
最小ポリゴン数の立方体などを手早く用意したい時などに。
選択中のサブツールは上書きされて消えてしまうので注意。(Ctrl+zで復元可能)
・Zリメッシャー
メッシュの形状からポリゴンの最適な流れを自動的に分析して再構築する機能。
中空を含むメッシュの場合、ダイナメッシュだと強制的に穴埋めされるが、Zリメッシャーでは中空部分を維持したまま処理できるほか、板状のメッシュもZリメッシャーなら処理可能。
例として、衣服のベースなどを作る時に「身体のメッシュに衣服の形状をマスクして抽出→Zリメッシャーでポリゴン数を落としつつ編集に最適なメッシュにする」といったような用途で使うことが多い。
中盤以降はあまり出番がないので、すごく革新的な機能の割に影が薄い。
・パネルループ
中空を含むメッシュ や板状のメッシュに厚みを付ける用途で使用する。
「高さ調整-100」でメッシュの内側方向に厚みが付くようになるので、上記の衣服などのように「表側の面のメッシュだけ作成し、最後に内面方向に厚み付けする」といった用途で使うことが多い。
・クリース
クリースが適応されているエッジは、スムーズありディバイドやダイナミックサブディビジョンを適用してもスムーズされずに角が残る。
デフォルトで入っている角柱から素早く円柱を作る時などに多用。
・ギズモ3D
移動、拡大、回転などのトランスポーズ機能を、従来のトランスポーズラインよりも視覚的・直感的に分かりやすく操作できるようにしたもの。
バージョンアップを重ねるごとに機能が豊富になっていき、特に複数のサブツールを選択してまとめてトランスポーズできる機能が備わって一気に優秀度が上がった。
他にもギズモ3Dのカスタマイズメニューには、多種のプリミティブメッシュをXYZ軸ごとに指定した任意の分割数で生成する機能や、様々な変形ツールを備えている。